RUMBLE(ランブル)

映画「RUMBLE(ランブル) 音楽界を揺るがしたインディアンたち」(102分・カナダ映画)を観た。よかった。先日、僕は映画「日本人の忘れ物 フィリピンと中国残留邦人」について、生意気ながら少し文句を言わせていただいた。その内容は、とても豊富な資料だが、インタビューの流れが中心で印象に残りにくいと。実は、僕の映画の作り方もそうなのだがという、どうでもいいおまけまでつけて。

この「ランブル」も映画の建付けは、「日本人の忘れ物」と全く同じである。数えきれない音楽関係者が次々に登場し、その間を音楽が少しずつ補っていく。誰かが軸になっているわけではない。主人公もいない。

しかし、今日はうとうとしなかった。

この映画、昨日(7日)初日である。新聞で宣伝を観てすぐに見に行った。先ずは、タイトルに惹かれた。その理由は、つい先日昨年直木賞を受賞した、「熱源」(川越宗一)を呼んだこともある。「熱源」は、北海道、サハリンのアイヌ人とロシアに侵略されていたポーランド人を扱った壮大な歴史小説である。

知らなかったことが多すぎる映画だったということがある。多くのアメリカのミュージシャンが、「ネイティブ・アメリカン」(この言い方自体差別であるという指摘がある)の影響を大いに受けていたということ。その音楽の多くは、様々な形で「抵抗」をテーマにした、自由を求める音楽であった。そのきっかけをつくったのが、リンク・レイの「ランブル」であった。

「ランブル」は、聞いたことはあった。しかし、この意味を知った時、アメリカの音楽に対する見方が根底から変わりそうだ。

そして、なぜこの映画がすごいと思ったのか。特に主人公がいるわけではないのに。

まだ、よくわからないが、テーマがするどいこと、そして、光をさししめしていることか?映画の終わりの方で、ある女性の「ネイティブ・アメリカン」が言った言葉が印象的だ

「相手が武器を向けたとき、こっちは武器を向けてはだめ。芸術の魔術で勝つのよ」

僕のすべてが欲しがっている言葉だ。おそらく、日本人の多くに必要なことでもないか。「芸術の魔術」

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