住民投票の意義を全否定した石垣市

3月1日、「石垣市平得大俣地域への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票において投票することができる地位にあることの確認請求裁判の第3回弁論が那覇地方裁判所で開か入れた(民事第2部、福渡裕貴裁判長)。

今回市側は、原告の主張に対して準備書面を提出してきた。

その主旨は、石垣市民に住民投票で投票できる権利があるという主張は、「法的効果が生じないので却下」。さらに「その投票結果は尊重されるにとどまり、何らかの法的効果を生ずるものではない。投票の結果に法的な効果が与えられない以上それは、市に対する陳情や要請と変わることはなく、投票結果は世論調査と大差ないのである」また「自衛隊配備の賛否を問う方法は住民投票でなければならないわけではなく、街頭署名活動や演説、マスメディアなどで自由な表現活動が可能である」(石垣市側の準備書面)とまで言い切った。

これに対して原告弁護団の中村弁護士は、これは市民の表現の権利に対する無理解で「わざわざ条例(石垣市自治基本条例)で住民投票を定めた趣旨を理解せず、このようなことを地方自治体が法廷の場で主張するのは末恐ろしい」と怒りをこめていた。

原告の川満起史(たつし)さんは、「おとといの選挙の結果を私たちは受け入れなければいけないのと同じように、石垣市も住民投票の実施もどうやったって受け入れなければいけないと思います」と語った。また原告の金城龍太郎さんは、「市長が代わっても代わらなくても僕たちは住民投票の実施を求めていきますし、署名をしてくれた人の思いは消えないので、この火を絶やさないように僕たちが引き続き声をあげていきます」と語った。

この訴訟は、今日本政府がやろうとしている「米中対立」を口実にした軍事力強化に大きく影響し、更には憲法に通ずる地方自治の根幹にかかわる裁判である。(湯本雅典)

*次回口頭弁論 5月24日(火)午前11時~ 那覇地方裁判所

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