「憲法議論の必要はない」と言い切った石垣市

7月5日、那覇地方裁判所で石垣市住民投票当事者訴訟第5回弁論が開かれた(民事第2部・福渡裕貴裁判長)。

今回は弁護団長でもある大井琢さんが、5月25日、最高裁で最高裁裁判長の国民審査において在外邦人が投票権を行使することができていないことは違憲であるという判決が出たことに関わって、本件にも十分適用できることであるという意見陳述を行った。この主張は、本来住民参加が認められるべき石垣市平得大俣への陸上自衛隊ミサイル基地建設の是非を問う住民投票が石垣市自治基本条例に定めた規定をクリアしながらもいまだに実施できていないことが、憲法問題であることの証明でもある。

しかし、石垣市側の今回提出された準備書面は、「被告として、憲法解釈に拘泥して議論を盛り上げたいとは考えていない」と言い切った。これは、憲法議論の否定であり「訴訟そのものの否定である」(弁護団・小林武弁護士)。原告の宮良麻奈美さんは被告石垣市側の姿勢を評して、「民主主義は勝ち負けだけではなく、相手の意見を聞けるかどうかだと思います。数の力だけで勝った負けたというのは、不健全です」と語った。

原告 宮良麻奈美さん

憲法の問題は、現在行われている参議院選挙の中心課題でもある。石垣島でたたかわれているこの訴訟は、憲法を守るか否かの裁判である。

・次回裁判(第6回弁論):9月15日(木)午後2時30分~ 那覇地方裁判所 石垣市自治基本条例の策定に関わった当時の関係者の証言を加えて被告の主張に反論する。

・7月23日(土)のレイバー映画祭で、石垣島平得大俣への自衛隊ミサイル基地建設の是非を問う住民投票運動を担った若者たちを主人公にした映画「島がミサイル基地になるのか 若きハルサー(農民)たちの唄」が上映されます。ぜひご覧ください。

レイバー映画祭

www.labornetjp.org/news/2022/0723kokuti

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