沖縄取材のむずかしさ 2

数日前に、「取材で苦しんでいる」という投稿をして以来、何人もの方からコメントをいただいた。ご心配もあり、少し的外れなご意見もあった。問題は、現地との信頼関係をどう築くのかという問題。

ある方から、「もっと多くの人と関わったらどうですか」と言われた。言われた直後、「そんなことできない、沖縄ですよ」と少し腹がたった。しかし、そうなのだ。遠いのだ。このことが、根本的な原因だ。

1本前の「選挙が生まれる2 私たちは歩き始めた」でも、今回以上の困難にぶつかっている。それが克服できたのは、通えたからだ。今回の沖縄も、僕が好きな絵描きの戸井昌造さんのように1年移り住んだらどうかと、真剣に考えた。しかし、それは、無理なのだ。仕事があるし、親の介護もある。

意外と単純な問題だった。遠いということは、そう簡単な問題ではない。しかし、沖縄は、今、やりたいテーマ。とすれば、どうすればいいか。

1年で、節目の作品は作りたい。しかし、それで終わらせないほうがいいのでは、という気持ちも少しずつわき始めている。しかし、これも大変なことだ。すでに、体が悲鳴をあげている。たぶん、この半年間の撮影の疲れだと思う。

1月から通い始めて、7回。それぞれ1週間以上とすると、都合70日ぐらいは沖縄にいる。6月の石垣、与那国がきつかったし、与那国で着いたとたん「やはり撮影はこまる」と言われたときは、宿に帰って、放心状態になった。しかし、耐えた。そして、その中でも撮った。

しかし、この8月の辺野古で「アジテーションなんて言わないでほしい」問題では、かなり混乱した。おまけに船から降りるときこけて、泥に半分つかった。船に乗る前日、台風で名古屋から沖縄入りした(しかし当初予定の羽田ー那覇便は飛んだ!!)ことで、かなり疲れていたこともあったと思う。体が、悲鳴をあげている。

その中で、何ができるのか。その中で、何をするつもりなのか。そこを考えて、いい撮影を、できるだけいいものを撮りたいという気持ちは、消えていない。

今後は、8月下旬~石垣、名護市議選。9月末沖縄県知事選。10月奄美大島取材と予定している。これだけで終わらないかもしれない。

思い出すことがある。昨年10月。衆議院選挙の投開票日。台風で大雨だった。その日、元創価学会員のサイレントアピールもあり、都合13時間の取材だった。途中のマックで寝てしまった。その取材が終わり、「私たちは歩き始めた」が完成した。正直言って不謹慎だが「やっと、終わった」と感じた。実は、次の映画つくりは、苦しんで作りたくないという気持ちがあった。それは、見事にできていない。理由は、久々の沖縄でとまどったこと、そのとまどいの解消にはある程度時間がかかるということだ。

沖縄には、時間がない。しかし、時間は必要なのだ。残酷だけど。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA