「拝啓 住民投票さま」完成上映会に58人

5月7日、飯田橋の東京ボランティア。市民活動センターで新作ドキュメンタリー映画「拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと」(46分)の完成上映会が行われ58人が参加した(湯本雅典制作・主催はビデオアクト)。

 この映画は、2018年から始まった石垣島の陸上自衛隊基地の開設をめぐる住民投票運動の特に昨年11月の「住民投票を求める会」の解散集会を中心に、石垣島独自の条例に基づく市民の要請がなぜかなわなかったのかも含めまとめたものである。

 上映後の感想交流に入った。製作者の私が驚いたのは、この映画をぜひ上映したいという声が上映会の参加者の意見交換の中で一番多かったことだ。これだけでも自分としてはこの作品を作ってよかったと感じた一瞬だった。その他には、石垣島で大変なことが起きていることへの感想、住民投票運動をすすめてきた金城龍太郎さんたちの素朴な姿勢を感じたなどの感想が出された。そして、であるならばこれから何が必要なのか、が問題となる。

 上映会の最後のほうになって、私から意見を求めたこともあるが沖縄辺野古県民投票の会の元代表の元山仁士郎さんが発言した。「確かにこの映画を広めることは意味があるでしょう。しかし、この会場を出たあと皆さんは何をやられますか」「沖縄米軍基地の問題は、未だかって国政選挙の争点になったでしょうか」と彼が今進めている「国民発議プロジェクト」について発言した。

 私は、正直言ってまだ彼の国民発議プロジェクト運動については、関心の域を出ていなかった。私としては地域の課題を見つめなおし、各地域の運動を住民投票運動も含め方針を練っていくことが重要だと思っていた。そのためにもこの映画の地域上映をすすめていこうと思っていた。が、元山さんの意見を聞く中で彼の視点もまた違う意味で重要だとも感じた。それは石垣島の若者たちの視点、つまり地方自治も含めた民主主義を切り開くことにもつながるからだ。

 石垣島では、すでに次のステージに入っている。来年2月の市長選挙に向け、市民と野党と保守もむくめた中山市政を交代させるための市長選挙候補者を選ぶ選考委員会が動きだしている。住民投票運動が切り開いた地平が今後の石垣島の取り組みに地道につながっていくことを願い、私は首都圏で上映会活動を行い石垣島の取材もできる限り続けるつもりだ。

*写真は、蔵原実花子さん撮影

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA