力んでしまい、本当に申し訳なく思います

9月30日、沖縄県知事選投開票日。今回の取材は、情報収集に本当に苦労した。台風の影響もあり、街宣予定が変更せざるをえなかったからだ。
何より厳しかったのが、投開票日当日。カメラの場所決め抽選の時刻が読めず、会館があく午後3時に行くと、抽選ぎりぎりだった。くじ運悪し、12番。

何とか横側の場所を確保しほっとするのもつかの間、くじ引き後もどんどんカメラマンがやってきた。気分はカリカリしたが、ある年配のカメラマンは、「後ろ空いてるよ」と場所を案内する。人格の差をつくづく感じた。

投票所が閉まる午後8時には、玉城デニーさん会見会場はほぼぎっしりとうまり、何と報道陣の後ろに市民も入ってきて、カメラを映し始めた。僕の真横にも市民が入る。僕の頭は、沸騰寸前だ。

そして開票時刻35分後、デニーさんの勝利確定!「落ち着け!落ち着け!」と、ただただ、カメラを固定することに集中した。今回は、音もしっかりとれている。(前回の名護市長選は、音がはずれ最悪だった。今回はケーブルをしっかり確保、デニーさんにマイクを向けてもらった。)

ところが、共同会見のあと、デニーさんが市民の方に向きなおした。当然のことだが、僕の位置からはデニーさんの後ろ姿しか撮れない。予想はしていたことだったが、すでに移動できるような状況ではなかった。会場は、身動きが取れない状況だった。でも、僕はカメラをかかえ動き始めた。その時だ、ある撮影クルーの音声担当の音響ケーブルの分配器を踏んずけてしまった。当然、ものすごく怒られた。
名刺を渡し、「弁済します」と一言伝え、撮影を続けた。

最悪である。しかし、なんとか参加者のインタビューは撮れたが、デニーさんの市民への発言はまったく撮れなかった。

どうすれば良かったのか。いまだにわからない。移動できる状況ではなかったという認識を持つべきだったのかもしれない。カメラの位置から、満足に撮影できる位置に移動できたカメラマンは、おそらく一人もいなかったからだ。

ただただ、音声さんには申し訳なく思います。名刺を渡したとき、なんと「もう、いいですよ」と言ってくれたのだ。
後から来たカメラマンに場所をあけた年配のカメラマンといい、僕に機材を踏まれた若い音声さんといい、なんと人間ができていることか。

僕は、デニーさん勝利の喜びとともにとてつもない反省の意識を背負い、帰路についた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA