「真夏の夜のジャズ」を観に行った。気分転換とコンサート撮影の勉強をと思ってだったが、完ぺきに打ちのめされた。
この映画は、1954年から始まったアメリカ、ニューポートジャズフェスティバル(1958年)のドキュメンタリー。1954年は、僕が生まれた年だ。今回が、日本で2回目の上映となるという。
ジャズは、嫌いではない。しかし、レコードを買い始めたのは職場の同僚の影響で就職してから、しかし、すごい好きというのではなかった。が、今回、こんなにも、音楽が人間の心の中にずんずん入ってくるものなのかと驚いた。ジャズがブルースがゴスペルが。
ルイ・アームストロングがあんなにもユーモアにあふれた人で、歌う時はまるで語り掛けるように歌い、そしてトランぺッターとしてものすごくエネルギッシュだったとは、全く知らなかった。
いちばんすごかったのは、ゴスペルシンガーのマヘリア・ジャクソン。「神の国へ歩もう」。要は、悪いことをしたら天国に行けないよっていう歌。これだけの歌詞を、あの声量とリズムで歌い上げる。だから、子どもから年寄りまで踊り、口ずさむ。
ジャズとブルースともっと早く出会いたかった。音楽は、悲しみを洗い流す力がある。この映画は、忘れられない。今だから、なおさら言える。