映画「学校を辞めます 51才の僕の選択」

映画「学校を辞めます 51才の僕の選択」(16分・2007年)僕の、デビュー作です。この作品を、先日「見たよ」と言ってくれた人がいました。その人は、2回続けて観て、あと2回は「音だけ聞いた」と言っていました。その人がこう言ったのです。「湯本さんは、教師ではなく、親みたいだ」「この映画は、たくさんのテーマが詰まっている」と。

この映画を作って、早15年がたちました。あっという間でした。駆け抜けた気分です。走ってばかりいました。そして、今も走っています。しかし最近さすがに疲れている自分に出会います。「学校を辞めます」の制作時には、疲れは感じませんでした。この違いは年齢のせいで、仕方がないと思っていました。そんなとき、この映画をみてくれた人が登場し、先のご感想を言ってくださったのです。まずは、うれしかったです。もはや、だれも見向きもしないと思っていた作品を見てくれる人がいたということですから。

そして、これからが大事なのですが、僕は、今作っている石垣島の続編作を作り終えたら、完成はおそらく来年秋以降ですが、少し制作を休もうかと思っていた矢先でしたから。それは、今の僕に大きな刺激になりました。「休みたい」理由は、しんどくなったからです。本当に、今の社会を切り取るのはむずかしいし、どんどん分析が難しくなっている気がして、そして、生きづらさが倍加して大きくなっている気もして、自分にはどうしょうもない、と最近感じるようになったからです。そのきっかけは、撮影で世話になった大事な人の死でした。

もちろん、映画製作が今後もっと必要になるということはわかります。ただ、自分がその「必要性」に追いつかなくなり、自分がやりたいこととの矛盾も感じてます。そんな時の「学校を辞めます」のご感想でした。ありがたかったです。この上ない、喜びでした。それは、今製作中の「石垣映画Ⅱ」を作り切りたいという意欲につながりました。

15年前僕が、映画をつくりたいと思ったことがとても大事な思いだったということを忘れていたのです。それほど、今の社会は過酷だと思います。少し休むことも意味があるかもしれません。しかし、考えることをやめたくはありません。

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